令和7年度税制改正が成立しました (大綱から一部修正あり)vol.1
- 税理士法人リライオン
- 4月16日
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令和7年度税制改正が3月31日に成立しました。所得税については、1月号でお知らせした大綱の内容から一部修正され、下記の通りとなりましたのでご注意下さい。
【年収の壁に関する一部修正】 令和7年度から
当初案では、いわゆる年収の壁を103万円から123万円に引き上げるべく改正が行われていましたが、これを160万円に引き上げるよう内容が修正されています。
1 所得税の基礎控除額を現行の48万円から58万円に上げるとされていましたが、合計所得金額132万円(給与収入200万円相当)以下の方については、これに37万円を上乗せして95万円とされます。
2 給与所得控除の最低保障額は大綱通り、現行の55万円から65万円に上がります。
給与収入190万円までの方は65万円が控除されることになります。
従って、給与収入160万円-給与所得控除65万円=95万円→基礎控除が95万円になりますので、これを差し引くと課税所得0円になり、給与収入160万円までは所得税がかからないという仕組みになっています。
3 令和7年、8年については時限措置として基礎控除額が上乗せされます。

※令和9年以降も合計所得金額132万円以下については上乗せ額が継続されます。
また、合計所得金額が2,350万円を超えると基礎控除は徐々に減額され、2,500万円を超えると0円になります。
なお、個人住民税については基礎控除の引き上げは行われないため、住民税は給与110万円を超えると課税されます。
【配偶者控除、扶養控除等の要件改正】 令和7年度から
配偶者控除の対象となる同一生計配偶者及び扶養控除の対象となる扶養親族の合計所得金額要件は大綱通り58万円以下に引き上げられます。給与収入の場合は
123万円(123万円-給与所得控除65万円=58万円)までが控除の対象となります。
勤労学生の合計所得金額要件も10万円引き上げられて85万円以下になります。
【特定親族特別控除の創設】 令和7年度から
以前は19歳以上23歳未満の扶養親族等の給与収入が103万円を超えると特定扶養親族控除(63万円)が受けられませんでしたが、特定親族特別控除が創設され、子の給与収入の上限を150万円(所得では85万円)に引き上げ、そこまでは控除が受けられるようになります。
また、給与収入が150万円を超えても段階的に控除額を減らして188万円(所得では123万円)までは61万円~3万円の控除が受けられます。
言い換えれば、19歳以上23歳未満の扶養親族については、合計所得金額が58万円以下の場合は従来通りの「特定扶養親族控除」の対象となり、合計所得金額が58万円超123万円以下の場合は「特定親族特別控除」を受けることができるようになるということです。
なお、令和7年度の源泉徴収税額表の改定は行われていないため、毎月の給与支給時は従来通りの源泉徴収税額を徴収し、年末調整で改正制度による計算が行われることになります。
このコラムは2025年4月16日現在の法令等によっています。
-Quarterly Topics 2025/4/16号より抜粋-
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