令和8年度税制改正が成立しました vol.1 所得税関連
- 税理士法人リライオン
- 4月16日
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令和8年度税制改正の内容は多岐に渡るものとなっています。どれも重要な改正点ですので、1月号と一部内容が重複しますが、概要をお伝えします。
【個人所得税関連】
○いわゆる「年収の壁」の引き上げ
令和8年度からいわゆる「年収の壁」が給与178万円まで引き上げられました。
基礎控除を58万円から62万円に引き上げた上で、時限措置として令和8年、9年の基礎控除については合計所得2,350万円以下の方について下記の通り引き上げられます。
令和8年、9年の基礎控除額
合計所得489万円以下(給与収入665万5,556円以下) 104万円
合計所得489万円超655万円以下(給与収入665万5,556円超850万円以下)67万円
合計所得655万円超2,350万円以下(給与収入850万円超2,545万円以下) 62万円
給与所得控除の最低保証額も現行の65万円から69万円に引き上げられると共に、特例措置として令和8年、9年はさらに5万円上乗せされ、結果として74万円になります。
基礎控除104万円+給与所得控除74万円=178万円までが所得税がかからない仕組みです。配偶者控除や扶養控除等の所得要件も58万円から62万円に引き上げられます。
○住宅ローン控除の改正(令和8年から)
◇新築住宅 令和8年~令和9年居住分について、省エネ適合住宅は借入限度額を
2,000万円(特例対象個人は3,000万円)に引き下げ、令和10年~令和12年居住分に ついては原則として適用対象外となります。令和10年居住分からは新築は認定住宅かZEH水準省エネ住宅でなければ住宅ローン控除が受けられません(経過措置有)。
また、災害リスクの高い地域での新築住宅が住宅ローン控除対象外となります
(本人等が住んでいる建物の建替については対象となる場合があります)。
◇中古住宅 認定住宅及びZEH水準省エネ住宅については借入限度額を3,500万円(特例対象個人は4,500万円)に引き上げると共に、控除期間を13年に延長されます。省エネ適合住宅については借入限度額を2,000万円(特例対象個人は3,000万 円)に引き下げ、控除期間を13年に延長されます。
また、新築・中古とも床面積要件について、合計所得金額が1千万以下の場合は住宅の区分にかかわらず40㎡以上に緩和されます。
○マイカー通勤に係る通勤手当についての非課税限度額の引き上げ
令和7年11月から一部非課税限度額の引き上げが行われていますが、令和8年4月から片道65km以上について更に引き上げられました。また、一定の要件を満たす駐車場等を利用し、その料金を負担することを常例とする人については、非課税限度額に1か月当たりのその駐車場等の料金相当額(上限5,000円)を加算した金額とすることとされました(通勤距離が片道2km以上に限る)。
○食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額の引上げ
雇用主からの食事の支給(現物)にかかる非課税限度額の上限が令和8年4月から月7,500円(現行3,500円)に引き上げられました。また、深夜勤務に伴う夜食の現物支給に代えて支給する金銭についての非課税限度額も同様に650円以下(現行300円以下)に引き上げられました。
○給与収入が多い年金受給者の公的年金等控除額の調整(令和9年から)
給与所得控除額と公的年金等控除額の合計額の上限が280万円とされました。上限を超える場合、超えた額は公的年金控除額から減額されます。
○NISAの拡充(令和9年から)
NISAのつみたて投資枠の口座開設可能年齢を0歳~17歳に拡充し、この間の年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円とされる等の改正が行われました。
○防衛特別所得税の創設と復興特別所得税の見直し(令和9年から)
所得税額に対する付加税として防衛特別所得税が創設されます(所得税額に対して1%)。これに伴い、復興特別所得税の税率が所得税額の1.1%に引き下げられ、合計で付加税率は現行の2.1%が維持されます。
参考)令和7年度税制改正で成立した防衛特別法人税は令和8年4月1日以降開始事業年度から、基準法人税額から年500万円を控除した額に対して4%課税されます。
○暗号資産の分離課税化(金融商品取引法改正を前提として)
暗号資産取引業(仮称)を行う者に対して暗号資産を譲渡した場合、20%(所得税15%住民税5%)の分離課税とされ、分離譲渡損失は3年間繰越できる制度とされる一方、総合課税の暗号資産の譲渡については次の見直しが行われます。
①譲渡所得の特別控除(50万円)を控除しない ②5年を超えて保有した資産について譲渡所得の計算上2分の1とする特例を使用しない ③暗号資産に係る譲渡損失を他の総合課税の所得と損益通算しない
このコラムは2026年4月16日現在の法令等によっています。
-Quarterly Topics 2026/4/16号より抜粋-



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